いただきます!…って何で言うの?
お元氣さまでございます。長福寿寺 第56世住職の今井長秀(いまい・ちょうしゅう)です。
食事の前に「いただきます!」と手を合わせる家庭は少なくないと思います。
統計で見ると、食事前の「いただきます!」が出来ている家庭では、グレたり、引きこもりになったりする子供が少なく、明るく元気な家庭が多いそうです。
実際、私が法事などで訪問する家庭でも、その通りだと思います。
しかし悲しいことに、ある小学校で母親が「給食の時間に、うちの子には『いただきます』と言わせないでほしい。給食費をちゃんと払っているんだから言わなくて良い。」と申し入れをしたことがありました。
また、「食堂で『いただきます』と言ったら、隣のおばさんに『何で』と言われた。『作っている人に感謝している』と答えたら『お金を払っているのだから、店がお客に感謝すべきだ』と言われた」という話もあります。
このお母さんやおばさんは、「《いただきます》は給食業者や店に対して言っているのであり、お金を払っているんだから、そんなことは言わなくて良いのだ」という考え方ですね。
…う~ん、悲しいものです。
「いただきます!」は「命」に対する感謝の言葉
実は、食事の前に「いただきます!」というのは、給食業者や店の方に言っているわけではありません。
正確には《特定の人》に向けられたものではなく、
これから食べる肉や魚や野菜などの食べモノに対して、
そして作ってくれたすべての人たちに対して
「感謝の気持ち」を表わしているんです。
「いただく」とは、漢字で書くと「頂く」となります。
仏教で最高の敬意をあらわす「頂礼」に由来します。
同じ生きモノでありながら、自分以外の命をいただかなくては生きていけない私たちが、命を捧げて食べモノとなってくれている生きモノに対して感謝する気持ちが「いただきます!」の言葉なのです。
手を合わせるのは、相手の仏性(同じ生きモノであり、同じ仏さまの子供であるということ)に対して尊ぶ心です。
ぜひ「いただきます!」を元気に言って、あなたの霊性(魂レベル)を高め、心豊かに、そしてフトコロも豊かにして欲しいと思います。
桓武天皇勅願寺 長福寿寺 第56世住職 今井長秀
今井長秀
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